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近代民主政治の基本原理


近代民主政治において最も重要なのは、“
基本的人権の保障”であり、これを実現する為“法の支配”“国民主権”“権力分立”といった手段がもちいられている。これらは、近代民主政治の基本原理とされている。


近代憲法は、
市民革命期に主張された立憲主義の思想に基づいて制定された。

立憲主義とは、憲法によって国家権力を制限して、人権を守るという思想である。

1789年の
フランス人権宣言は「権利の保障が確保されず、権力の分立がされないすべての社会は、憲法を持つものではない」(第16条)として、立憲主義に基づく近代憲法の核が、“基本的人権の保障”と“権力分立”にあるとしている。


法の支配

恣意的な「人の支配」を否定するための概念で、権力者を法で拘束して、国民の権利・自由を守ろうとする原理である。

法の支配は、中世イギリスの、
コモン=ローの優位(裁判所の判例の積み重ねにより成立した慣習法の体系)という思想から生まれた。

法の支配は、
法治主義とは明確に区別される。法治主義とは、法律に基づき政治がおこなわれるべきとする考え方であるが、「悪法も法なり」とされかねない法律万能主義である。法の支配では法の内容が重視される。

17世紀の裁判官エドワード=コーク(1552〜1634)が、国王に対する
コモン=ローの優位を主張したエピソードは有名である。

明治憲法が法治主義の原理に立脚しているのに対して、日本国憲法は法の支配に立脚している。



国民主権

国政についての最終決定権は国民にあるという考え方。

国民は選挙で代表者を選んで、代表者を介して意思決定をする
間接民主制(代表民主制、議会制民主主義)をとるが、間接民主制を補うために国民による直接的な意思決定のしくみである直接民主制も取り入れている。

権力分立

ひとつの機関や人に権力が集中すると、濫用される危険性があるため、権力を分散して相互に監視がおこなえるように、
抑制と均衡のしくみをつくり、権力の濫用を防ぐこと。

日本の場合、立法府・行政府・司法府に分ける
三権分立がとられているが、その他に、地方分権や行政委員会、二院制、三審制なども権力分立のしくみと言える。

権力分立論は、
ロックモンテスキュー(1689〜1755)が提唱した。

ロックは、『市民政府二論』(1690)の中で、国王に執行権と同盟権(外交権・連合権)を与えて、議会に立法権を与えるという立法権優位を主張したが、不十分なものであった。

一方、フランスの
モンテスキューは、『法の精神』(1748)で、ロックの議論をふまえつつ、立法・行政・司法という三権分立を主張して、絶対王政を批判した。


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