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行政国家と官僚政治 |
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20世紀に入ると夜警国家が福祉国家に変わりはじめ、行政府の役割が増大した。行政権が肥大化した国家を行政国家という。
行政権が肥大化すると行政機構に対する民主的コントロールがきかなくなることが問題であり、憲法では国会を「国家の最高機関」と定めているが、実際は国会議員よりも、専門的知識も持った官僚(中央省庁で実務に携わるエリート公務員)が中心となって政策を決定してきた。
法律の制定は立法府の役割だが、官僚が作成した内閣提出法案のほうが、議員提出法案(議員立法)よりも割合が高く、成立率はより高い。
法律の委任に基づいて、行政機関が制定する委任立法(政令・省令)が多く、行政裁量が広がり、国会の民主的コントロールは弱まる。
また、日本的な特徴として、許認可行政と行政指導など、行政機関が民間企業の様々な活動に対して大きな許認可権限を持っている。
官僚が退職後に民間企業や団体に再就職する天下りも、企業と官僚の癒着や利権政治の基となるとの批判がある。 |
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行政の民主化 |
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行政権の拡大にたいして、官僚政治の弊害を取り除くには、国民や国会の民主的コントロールの強化が必要である。
行政機関の手続を透明化し、明確化するため、1999年に情報公開法が制定され、1993年に行政手続法が制定された。
行政から独立したオンブズマン(行政監察官)が、国民からの苦情や告発を受けて調査を行い、行政府に対して改善勧告するシステムであるオンブズマン制度。
行政機構をスリム化したり、独立行政法人化・民営化するなどの方向性もある。
2001年には1府22省庁が1府12省庁に再編された(省庁再編) |
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