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高齢社会への対応


日本社会の
高齢化が急速に進行している。総人口のうち65歳以上の人口の割合を示す老年人口比率7%を超えた社会を高齢化社会というが、日本は現在それをはるかに上回っている。現時点の水準も世界一だが、それ以上に注目すべきなのがその進行度の速さである。高齢化社会から高齢社会に到達するまでの所要年数が異常にはやく、世界に前例のない速度で高齢化が進んでいる。このまま高齢化が進むと年金・医療財政が圧迫されて、国民負担率が急激に上昇してしまうおそれがある。


高齢社会とは
総人口に占める高齢人口の割合が7%を超えた社会を
高齢化社会14%を超えた社会を高齢社会という。1960年に5.7%だった日本の高齢化率は、1970年に7%、1994年に14%を超えた。

高齢化が進む理由として、一番の要因は、医療技術の進歩で、日本が世界で有数の
長寿国になった。また、晩婚化・非婚化が進み、少子化が進行したことも大きな要因である。高齢社会を支えるためには少子化対策を並行して行う必要がある。


少子化対策
仕事と子育てを両立するために1991年に育児休業法がつくられ、1995年に
育児・介護休業法へとあらためられた。1994年には子育て支援策を具体化したエンゼル=プラン、2000年には、新エンゼル=プランがつくられた。さらに2003年には少子化社会対策基本法が制定され、不妊治療への助成や保育サービスの充実に努力すべきことが明記された。具体的に求められていることとして、待機児童をなくすことなどが重要視されている。

高齢化の進行は財政を圧迫する。社会保障給付費は、その多くを年金、医療、高齢者福祉サービスなど、高齢者関係の給付が占めている。高齢化が進み、これらのコストがさらに上昇すれば、国民負担率はさらに上がることが予想される。
要介護認定者は、今後さらに増大することが予想されるため、介護、雇用拡大、社会参加、住環境の整備など、多様な高齢化社会政策の拡充が必要である。

社会保険改革は始まっており、医療保険の分野では、民間サラリーマン・公務員の本人負担が、1984年に1割、1997年に2割、2003年には
3割にアップし、70歳以上の老人医療についても、1983年に老人保健制度が始まって、本人の一部負担制定額制)が導入された。2002年には、定額制が1割負担定率制に変わり、対象年齢も75歳以上に引き上げられた。
年金保険の分野でも、厚生年金と共済年金の受給年齢が、段階的に60歳から65歳に引き上げられた。

社会福祉の充実も重要な課題であり、1995年に
育児・介護休業法が成立し、介護が必要な家族のいる労働者が休職できる介護休業制度が1999年から始まっている。2000年には、高齢者・障害者が交通機関を快適に利用できることを目標とした交通バリアフリー法が施行された。高齢者や障害者を阻害せずに、地域社会でいっしょに過ごすことができる社会を理想とする、ノーマライゼーションが、少しずつ浸透してきている。


介護保険制度は、1997年の介護保険法に基づき、2000年より始まった新しい保険制度である。40歳以上の全国民から保険料を徴収し、介護が必要となった人たちに、介護サービスを提供する。市町村が運営主体となっており、介護サービスを利用するには、市町村の要介護認定を受ける必要がある。利用者は毎年増えている。


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