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GNP(国民総生産)とGDP(国内総生産)
GNP(国民総生産):1年間に国民(海外の日本人・日本企業を含む)が得た付加価値の合計。
GDP(国内総生産):1年間に国内(国内の外国人・外国企業を含む)で生み出された付加価値の合計。
GNPは国民が生み出した付加価値、すなわち誰が生み出したかという点に焦点を当てるのに対して、GDPは国内で生み出された付加価値、すなわちどこで生み出されたかという点に焦点を当てる概念である。
たとえば、海外のアーチストが日本の公演で得た報酬は、日本のGNPには含まれないが、GDPには含まれる。その逆に、日本人アーチストが海外の公演で得た報酬は、日本のGDPには含まれないが、GNPには含まれる。外国人アーチストへの報酬は海外への所得とされるのに対して、日本人アートストが得た報酬は、海外からの所得とされて、この2つを差し引きすると、海外からの純所得と呼ばれて、次の公式がなりたつ。
GNP(国民総生産)=GDP(国内総生産)+海外からの純所得
GDP(国内総生産)=GNP(国民総生産)−海外からの純所得
経済がグローバル化して、海外から企業がたくさん進出してくるようになってくると、GNP(国民総生産)の考え方は、国内の流れを適切に示すものとして通用しなくなった。
そこで、2000年から経済の実態を示す指標として、GDP(国内総生産)が使われるようになった。
GDP(国内総生産)には、含まれるものと含まれないものがある。GDPに含まれる付加価値は、生産活動によって生み出され、市場で取り引きされるものでなくてはならないという定義がされているからである。
生産活動によって生み出されるものという条件によって、土地や株などの資産の値上がり益(キャピタル=ゲイン)は除外される。そして、市場で取り引きされるものという条件によって、家事労働やボランティアなどは除外される。ただし、農家の自家消費分と持ち家の家賃相当分については、例外的に市場価格に換算して計上し、GDPに含める。
国民生活の実質的な豊かさをあらわすものに国民純福祉(NNW)がある。GDP(国内総生産)から、公害対策費のようなマイナス項目を差し引いて、レジャーや家事労働、ボランティアなどのプラス項目を加算する。同様に、環境への悪影響を計算にいれるグリーンGDP、心理的幸福度を勘定にいれた国民総幸福といった概念も考案されている。 |
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